事例008過去に債務承認弁済契約を締結していた消費者金融に対して訴訟を提起し、過払金(約100万円)を回収した事例
- 担当弁護士北島 好書
- 事務所北島 好書
ご相談内容
依頼主
Hさんさん(40代・男性) / 職業:Hさん
大分県在住のHさんは、従前より消費者金融3社との取引を行っていましたが、借入金を完済したということで自分に過払金があるかを確認して、過払金があれば回収を依頼したいとのことで、当事務所にご相談にいらっしゃいました。 もっとも、Hさんは、過去にその内の1社との間で「債務承認弁済契約書」を取り交わしていました。
弁護士の活動
当事務所は、各消費者金融に対して受任通知を送付するとともに取引履歴の開示を求めました。
約2週間ほどで各消費者金融より取引履歴の開示を受けましたので、法定利率に基づく引き直し計算を行ったところ、消費者金融3社とも過払いとなっていることが判明しました。
そのため、当事務所は、各消費者金融に対して過払返還請求書を送付して返還を求めたところ、2社からは交渉段階で満額に近い回答を得ることができましたので、和解をして過払金を回収しました。
一方、「債務承認弁済契約書」を取り交わしていた1社からは、過去にHさんと契約書を調印して和解しているので過払金は発生しない旨の回答を受けましたので、訴訟を提起することになりました。
訴訟提起後も、当該消費者金融は、①既に和解が成立していること、②取引期間の分断があって消滅時効が完成しているため過払金の返還請求権は消滅しているといった主張を行い、全面的に争いました。
そのため、当事務所は、過去の裁判例等を根拠にして、上記①②に対する反論を詳細に行いました。
解決結果
その結果、裁判所からは、過払金として100万円をHさんに返還せよとの和解案が提示されましたので、裁判上の和解を行って過払金の回収に成功しました。
また、交渉段階で和解した消費者金融2社の過払金も合計すると、3社から総額約190万円の回収をおこなうことができました。
弁護士のコメント
今回のケースのように、利用者が消費者金融との取引の途中で消費者金融と和解契約を締結している場合があり、このような場合には、消費者金融が過払金の返還を全面的に争ってくることがあります。
しかしながら、このような場合であっても、訴訟を含めた交渉を行うことで、ある程度の過払金を回収できる場合があります。
自分で判断して諦めるのではなく、なるべく早めに弁護士に相談して適切な対応をとってもらうことが必要だと思います。
文責:弁護士 北島 好書