解決事例

事例014利用者と貸金業者との取引において途中完済があったものの過払金返還請求訴訟を提起し、勝訴判決を得て満額(170万円 経過利息を含めて100%)を回収した事例

  • 担当弁護士北島 好書
  • 事務所朝倉事務所

ご相談内容

ご相談内容

依頼主
Nさん(60代・女性)

福岡県在住のNさんは、夫が過去に過払金請求で当事務所に依頼したことがあり、その際の対応が良かったとのことで、自分にも過払金があるかを確認して過払金があれば回収を依頼したいとのことで、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

弁護士の活動

弁護士の活動

当事務所は、消費者金融外3社に対して受任通知を送付するとともに取引履歴の開示を求めました。
約1か月ほどで取引履歴の開示を受けましたので、法定利率に基づく引き直し計算を行ったところ、3社とも過払いとなっていることが判明しました。
そのため、当事務所は、消費者金融外3社に対して請求書を送付して過払金の返還を求めたところ、2社からは経過利息を含めて約95%を支払うとの回答を受け、任意で和解を行って合計約121万円の過払金を回収できました。
一方で、取引期間の分断(過去に一度完済をして再度借入れをしている状況をいいます。)があった1社からは、「消滅時効が完成しているため1度目の完済前の過払金は時効により消滅している」として、当事務所の請求額から大幅に減額した金額(約10万円)を返還するとの和解案が提示されました。
そのため、当事務所は、Nさんと打ち合わせの上訴訟を提起しましたが、訴訟でも取引期間の分断が問題となったため、Nさん本人の陳述書等を提出するなどして全取引期間を一連一体として計算して過払金を計算すべきである旨の主張立証を行いました。

解決結果

解決結果

その結果、裁判所からは当事務所の主張を全面的に認める勝訴判決を得ることができ、経過利息を含めて100%の過払金として、約170万円を回収することができました。

弁護士のコメント

弁護士のコメント

過払金請求においては、今回のケースのように、過去に借金を完済をした利用者が期間をおいて再度借入れを行っている場合があり、この場合には、貸金業者が「前の借入れと後の借入れとは別取引である。完済したときに発生した過払金は、次の借入金に充当されず、そのまま存在するので差引計算できない。」「そのため、前の借入金の完済から10年以上経過しているため、前の借入金は時効により消滅している。」といった主張を行ってくる場合があります。
この場合には、基本契約が1つしか締結されていないかどうか、基本契約が複数締結されていても取引に空白期間がないかどうか、取引に空白期間があっても契約書の返還、ATMカードの執行手続、利率の異動、空白期間の接触状況、約定完済と取引終了の意思表示、契約番号の同一、自動更新規程等の状況によっては、一連計算が認められる場合があります。
そのため、貸金業者との取引において途中完済があったとしても、今回のケースのように過払金が認められる可能性がありますので、なるべく早めに弁護士に相談して、適切な対応をとってもらうことが必要だと思います。

文責:弁護士 北島 好書

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